赤間硯は、1191年に鶴岡八幡宮に奉納されたという文献に見ることができ、800年以上もの歴史がある。江戸時代には、藩の贈答に用いられていたが、藩主の許可があった時以外は、原料となる石の採掘は禁止されており、たいへん貴重なものであったことがうかがえる。
硯作りの原料となる赤間石は、緻密で堅く、粘りが強くて細工しやすく、硯に適している。色味や模様の異なる5種類のうち、最も一般的なのが赤味を帯びた茶褐色の「紫雲石」。
赤間硯は墨を細かく磨ることができ、発色や伸びのよい墨汁が得られるのが特徴。丸や四角型の重厚感のあるものから、原石の形を生かしたシンプルなもの、彫刻を施したもの、蓋付きのものなどがある。
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