日本における木版画の歴史は、およそ1200年前に遡るが、江戸木版画の発展は江戸時代以降、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重といった浮世絵師たちの活躍によるところが大きい。
絵師が下絵を描き、彫り師が版木に彫り、刷り師が和紙に刷るという三者の分業で製作される江戸木版画は、当初は墨一色であったが、徐々に筆で彩色されるようになった。やがて、二色、三色の色摺りに続き、多色摺りの技術が確立され、「錦絵」と呼ばれる華やかな色合いの浮世絵版画が作られるようになると、これが江戸庶民の間で大流行した。
現在は、その技法を継承する職人たちにより、浮世絵の復刻画やオリジナルのモチーフによる版画が製作されている。
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